company 社会活動
株式会社クラフトでは会社の目的の一つに環境保全・景観保全を掲げて活動しており、それはクラフトが納める製品が納めることにより発生する責任に応えようとする姿勢からきています。この場合、納めることにより発生するものとは景観であり、環境を指します。製品を製造し納入して終わり、というのではなく、設置後の製品が、周りの景観に与える影響、環境に与える影響が非常に重要であると考えています。
またクラフトでは企業のビジョンに、環境への負荷を減らし、地域の文化を保全した健全な社会の構築、推進を掲げており、それに基づき各種団体への支援、貢献活動を行っています。
社会貢献活動
- 歴史的景観保全に関する支援活動としてのレトロ館原画貸し出し
- 歴史的景観保全に関する支援活動としての展示会開催
- 市民活動への会議室提供
- 東日本大震災被災地支援
東日本大震災被災地支援について
クラフトでは被災地支援のため、本社工場の一部を提供し、NPO活動を行っている「日本ユニバーサルデザイン研究機構」の災害救援活動部門「日本ユニバ震災対策チーム」では、東北の被災各地において、支援活動を行いました。
この活動を支援するため、本社工場の一部を保管庫として提供しておりました。大震災後の不安定な環境下において、安全な水の確保は、特に乳幼児にとって重要なことです。山形県は比較的放射線量が低めで安定しており、クラフトの敷地内も低めの数値を維持しております。国外から支援された安全なミネラルウォーターは、ここクラフトの工場より供給されました。
地域への貢献活動
- 各種団体の企業訪問受け入れ
- 幼稚園児への敷地解放
- 公共トイレの寄付
- 西蔵王三本木沼不動尊改修工事
西蔵王三本木沼不動尊改修工事
「西蔵王三本木沼不動尊開眼式が行われました」
松の古木と不動尊御堂屋根
山形市西蔵王に位置する三本木沼湖畔に、ひっそりとお不動さまが祀られています。このお不動さまはおそらく昭和三十年代に、山形旧市内からこの地へ移されました。冬期間は訪れる人もなく雪に埋もれるままになり、御堂の屋根は次第に朽ち始めました。また、屋根に掛かる松の木は次第に屋根瓦にぶつかるようになり、雨は天井を伝わって御堂内部に浸透し始めました。
この松の木を切るか屋根を掛け替えるかしなければ、お不動さまは雨にあたってしまいます。それは、とてもしのびないことです。このお不動さまは大正時代、山形市櫻小路(現桜町)にて開眼され、大切に守られて来ました。現在も桜町から西蔵王に足を運ばれて、お参りをする方がいらっしゃいます。これらの熱心な方々より「お不動さまの屋根を何とか直すことはできないものか」とお声掛けがあったのは、平成21年秋のことでした。
お不動さまはどなたが管理されているのでしょうか
何とか屋根を直したいという皆さんのお気持ちが先行する中、どなたにお断りをして工事をすべきか分からぬままに時間が過ぎて行きました。そのままでは冬の間、雪の重みで御堂が壊れてしまうことは明白です。桜町の皆さんは、とりあえず屋根にシートを掛けて、冬を越すことにしました。これならば、雪解けまでには何とかお不動さまを守ることができそうです。
そうこうするうちに、かつて西蔵王の開発に関わられた老齢のS氏にお会いすることができました。お不動さまの詳細については分からぬままでしたが、いずれにしても「このままで良いはずはないので、何とか手を入れて下さい。」というお返事をいただきました。お不動さまは、大正14年に株式会社クラフトの前身である丸與コンクリート工業所を創業した結城與作が建立したことが判明しました。そのようなこともあり、私たちはクラフトの社員として何とか屋根を掛け替える決心を致しました。
松の古木を守りたい
平成22年春、深い雪が融けて御堂の屋根が姿を現しました。松の古木はうねりながら屋根の瓦にぶつかっており、このまま瓦を葺き替えることは不可能です。また、下地の木部はすでに腐っていることが判明しました。このままの屋根の形を保つためには松の木を切る必要があります。このため同じ形状に復元することをあきらめ、新たな屋根の形を模索して、屋根と松の木が共存できる設計を行いました。正面に掛かる松の木を避けるように、軒先をできる限り下げる方法です。また、御堂の中から当初取り付けられていたと思われる鰐口が見つかりました。私達はこの鰐口を正面に取り付けて、従来の姿に戻すことにしました。
撥遣式へ
長い梅雨が明けた平成22年7月17日、屋根の解体工事に先立ち、成田山帰命院さまによる撥遣式(はっけんしき)を行いました。屋根工事を行う暫くの間、お不動さまの魂を抜いて戴き、工事の無事を祈る儀式です。お不動さまには、鞘を掛けさせて戴きました。
御堂は三本木沼を見守るように建っています。杉木立の中の静かな場所で、屋根の掛け替え工事は進められました。
無事、開眼式を行いました
クラフトの職人である大工、建具職人の手によって新しい屋根が掛け替えられました。また、観音開きの扉も交換し、錆を落とした鰐口が正面に取り付けられました。鰐口を打つ麻縄も取り付けられ、桧の香り漂う中、平成22年8月4日に関係者の見守る中、開眼式(かいげんしき)が行われました。再び魂が宿り、お不動さまも安心されたことでしょう。お不動さまを大切に思う方々のやさしいお心づかいで、完成された御堂です。これからも皆さんと共に見守り、大切にして参りたいと思います。