company 社史・受賞歴
株式会社クラフトは、古く明治初期よりものづくりを行ってきました。明治後期、山形に初めてセメントが入ってきて以来、セメントを素材として形を作り続けてきた職人魂が、今も引き継がれています。
明治18年山形混擬土工業所として操業開始。昭和34年結城セメント工業株式会社創立以来、確かな技術に裏付けされた精度と、昔ながらの職人技で長年に渡り独自の製品を作り出してきました。 時代の流れと共に、有機的な形から無機的な工業製品へ、そしてさらに近年は人間の心を豊かにするような有機的な形が求められ、製品に生かされています。
平成4年商号を株式会社クラフトとし、素材をセメントにこだわらないものづくりを開始し、現在に至っています。
クラフト社史
- 明治18年 初代・結城與作 山形市大町95番地において 山形混擬土工業所マル与コンクリート工業所 創業
- 昭和 3年 二代・結城儀作 山形市埋立に第二工場、山形市吹張95番地に第3工場新設
- 昭和 4年 羽黒山大鳥居建設
- 昭和23年 セメント二次製品、テラゾー、カストストン、擬木、灯篭等製造開始
- 昭和34年 三代・結城泰作 山形市大町95番地において、結城セメント工業株式会社創立 資本金250,000円
- 昭和39年 山形市大字片谷地464番地に蔵王工場新設 操業開始
- 昭和41年 増資 資本金3,000,000円
- 昭和45年 山形市大字片谷地464番地に本社移転
- 昭和53年 増資 資本金7,000,000円
- 昭和56年 増資 資本金11,500,000円
- 昭和57年 第一工場増設
- 昭和59年 日本工業規格表示許可 JIS認定工場となる
- 昭和61年 盛岡営業所開設
- 平成 3年 首都圏営業所開設 第二工場新築 増資 資本金33,000,000円
- 平成 4年 本社ビル落成 商号変更 株式会社クラフトとなる
- 平成 6年 四代・武田元裕 代表取締役社長に就任
- 平成 8年 大阪営業所開設
- 平成17年 ISO14001認証取得
- 平成21年 一級建築士事務所登録 山形県知事登録(1905)第1828号
- 平成27年 仙台事務所開設
受賞歴
- 平成 5年 テクノシリーズ・ドーム ’93全国グッドトイレ10賞受賞
- 平成 7年 テクノシリーズ・グラニット、デルタ 通商産業省’95年グッドデザイン商品選定
- 平成 9年 発明協会 山形県支部長賞受賞
- 平成10年 山形しあわせ銀行 ベンチャービジネス奨励賞受賞
- 平成10年 ロードスシリーズ 山形県エクセレントデザイン グランプリ受賞
- 平成11年 無電力水循環システム ’99全国グットトイレ10 技術賞受賞
- 平成12年 本社・工場を山形県上山市に移転 山形県環境保全推進賞受賞
- 平成13年 2001日本産業広告総合展 製品カタログ単品の部 特別賞受賞
- 平成14年 経済産業省平成14年度緑化優良工場等表彰 東北経済産業局長賞受賞
- 平成15年 ジオシリーズ 山形県エクセレントデザイン賞受賞
- 平成20年 水辺のユニバーサルデザイン2008GP賞受賞
- 平成27年 平成27年建設事業関係功労者等国土交通大臣表彰受賞
漆喰からセメントへ
株式会社クラフトは明治時代、漆喰を扱う左官職人集団でした。壁塗りや、藏の装飾などを手がけました。しかしセメントが輸入されたことにより、明治後期には漆喰よりもさらに強度の高い素材として、モルタルを扱うようになりました。大正三年、初代結城與作は山形市櫻小路(山形城二の丸淵)において「丸与コンクリート工業所」を設立。主に神仏に関する観音菩薩像、不動明、狛犬、灯籠、鳥居などを製作、建立致しました。
セメントからコンクリートへ
昭和に入ると、建築素材としてコンクリートの需要が高まりました。昭和三年には、二代結城儀作が山形市吹張(山形城三の丸埋め立て地)に工場を建設。学校、店舗等、昭和初期のコンクリート建築、モルタル装飾に携わりました。また、同時にテラゾー、カストストン(擬石)等セメントを用いた「研ぎ出し」も得意とし、これらは当時階段の手すり、銀行のカウンター等に使用されました。また、型枠にモルタルを流し込んだレリーフ等も数多く製作しました。左官職人の技を活かしたコンクリート擬木はこの当時確立されたもので、手作りの擬木は後年まで得意技となりました。
JIS規格によるコンクリート二次製品製造
昭和34年、三代結城泰作は同地において「結城セメント工業株式会社」を設立。大量生産可能なU字溝、ヒューム管、境界杭、側溝蓋等の製造を開始しました。昭和45年には、蔵王山を望む山形市大字片谷地に蔵王工場を新設し、昭和59年にはJIS認可工場となり、コンクリートに関する技術力で高度成長期を支えました。
コンクリート二次製品から公園施設製作へ
擬木は、自然公園等自然環境の中で景観を壊すことなく、かつ湿地においても高い耐候性を保つことができる特性を持っています。東北の地で長い雪の季節を越すことのできる技術と職人芸で、鉄骨構造のあずまや、橋、階段、ベンチ、柵、藤棚等、自然景観に合わせた手づくり製品を全国各地に納めさせて戴きました。昭和57年には、お客様のご要望に沿うべく擬木を用いた公衆トイレを製作し、好評を得ました。さらにプレキャストコンクリートパネル組み立て式の「クラフティシリーズ」を開発致しました。
よりよい公衆トイレへの道
昭和における公衆トイレは、公園施設の中でも最も遅れた施設と言えました。トイレ環境を改善することにより、公共空間は質の高いものになるはずです。
平成4年、本社ビル落成と共に公衆トイレの環境改善に関する取り組みを強化しました。全国初の基礎設備一体型トイレ「テクノシリーズ」は、得意のPC一体型。室内インテリアを含む高いデザイン性とメンテナンスフリーの設備が評価され、全国グッドトイレ10賞を受賞致しました。
平成6年、四代武田元裕が社長に就任。トイレを通して見た自然環境保全の必要性をさらに進化させ、環境保全型トイレを開発。同時にデザイン性をさらに高めることにより、テクノシリーズグラニット、デルタが通商産業省グッドデザイン賞を受賞。景観、環境保全に寄与する製品づくりの架け橋になりました。このような取り組みは、発明協会による受賞、ベンチャービジネス奨励賞、無電力水循環システム技術賞等の受賞に結びついております。
環境保全とユニバーサルデザイン
トイレは単なる施設ではありません。すべての人にとって必要であり、重要な施設と言えます。そのためにクラフトではこの二つのテーマに取り組み、これまで環境保全推進賞、緑化優良工場表彰、ISO取得、水辺のユニバーサルデザイン大賞等を受賞致しました。トイレ以外の施設としても機能する「ロードスシリーズ」「ジオシリーズ」も好評を戴いております。詳細につきましては、クラフトの受賞歴をご覧下さい。
あらゆる素材に取り組む
セメント、コンクリートはクラフトの得意技です。しかし、公園だけでなく地域社会全体における製品設置を考慮すると、コンクリートだけではない自然木、石、ガラス、タイル、鉄骨等その地にふさわしい素材を使用する必要があります。
クラフトは、それぞれの素材を扱う上でのエキスパートをスタッフとして採用、それぞれの職人として製品づくりに取り組んでおります。一つひとつ、ていねいなものづくりをこころがけ、長くお使いいただくことが社員の願いでもあります。
クラフトとは
平成4年、そのような思いを込めて、社名を「クラフト」と致しました。 クラフトとは、「職人などの特殊技術」という意味です。また、手芸、工芸という意味も持つことばです。一つひとつお客様の要望にお応えし、優れたデザイン、丁寧な設計、仕上がりを目標として製品づくりを行っております。